またですが・・・瀬上沢
瀬上沢とどこが違うのでしょうね。
瀬上もこんな風になればいいのに・・・プランはできますよ!
丸ごと生態系、小網代の森 源流~相模湾に残る自然、散策路を県が整備 神奈川・三浦
関東・東海地方で唯一、河川流域全体の生態系が保たれている「小網代(こあじろ)の森」(神奈川県三浦市)。この夏、源流から河口までの散策路ができ、親子連れやハイカーらでにぎわっている。荒れた里山が、30年の保全活動で豊かな自然を取り戻した姿が見られる。新たな観光資源として、人口減に悩む自治体や地元企業も期待する。
「わあ、ジュラシック・パークみたい」。散策路が一般開放された7月20日、シダの群落に女性利用者が感嘆の声をあげた。小網代湾に流れ込む浦の川の源流付近は昼も暗く、涼しい。
散策路は1・3キロ。川沿いを中心に神奈川県が整備した。シダの茂る源流、ハンノキの林、ジャヤナギの湿地林、アシやオギの湿原、河口の干潟、相模湾。移り変わる景観を片道30分で満喫できる。
26日にはオープン後初の予約制エコツアーがあり、約50人がガイドの説明を聞きながら散策路を歩いた。チョウだけで7種が出迎えた。母親と参加した横浜市青葉区の小学5年、小坂響(おさかひびき)君(11)が岩場の穴をのぞきこむ。「あっ、アカテガニだ」「ほんとだ、大きいね」。幼稚園の頃に読んだ絵本で、手だけが赤い姿に魅せられた。その実物を見つけ、歓声を上げた。
30年にわたって森の生物を観察し、その保全を訴えてきた岸由二(きしゆうじ)・慶応大名誉教授(66)によると、森には5種類の陸生のカニが生息。ほかにもサラサヤンマやゲンジボタルなど2千種以上が確認されている。
源流から河口の干潟まで、森や川を分断する道路やダムがなく、化学物質を出す工場もない。「流域の生態系が丸ごと残る場所は全国でも極めて珍しい」。1990年、横浜で開かれた国際生態学会の合間に訪れた欧米の研究者が「北半球の同緯度では、たぶんここだけの生態学的絶景」と絶賛したという。
森一帯は80年代にゴルフ場開発計画が浮上したが、岸さんらの保全運動にバブル崩壊が重なり、当時の長洲一二(ながすかずじ)県知事が95年に保全を表明した。県は2010年に土地取得を終え、ほかの地権者の同意も得て計70ヘクタールの保全を達成。一般開放の方針も決めた。
岸さんが代表を務めるNPO法人「小網代野外活動調整会議」は、知事の保全表明後から森の管理を始めた。柳瀬博一(やなせひろいち)理事によると、森は50年代まで薪炭林(しんたんりん)や谷戸田(やとだ)(谷あいの棚田)として地元の農家が利用していた。その後は放置され、林は草木が伸び放題。湿原は乾燥が進んでササに覆われた。
一般開放に向け、同法人はササを刈り、水路を整備して湿原を回復させた。それにつれてアユの遡上(そじょう)が復活し、昆虫が増えた。「もとの生態系までもう一息」と柳瀬さん。管理作業やエコツアーの運営をしながら、水辺の生態系保全を目的とするラムサール条約への登録を目指している。
■「尾瀬に負けぬ観光資源」
7月19日のオープン記念式典。黒岩祐治(くろいわゆうじ)・神奈川県知事は「尾瀬に負けない新たな観光資源が生まれた」と胸を張った。
人口が10年前より1割減った三浦市の担当者も「人の流れを呼び込みたい。森に来た人に中心市街地までマグロ丼を食べにきてほしい」と期待する。
今後は生態系保全と利用の両立が課題。県は散策路以外の利用を禁じ、夜間は散策路も閉鎖している。
京浜急行電鉄は格安でエコツアーに協力。三崎口駅から散策路まで参加者を送迎し、マグロ丼も提供している。広報は「三浦半島は都心から1時間。観光資源の魅力を高め、最終的には乗客増につなげたい」。
森の近くのマリーナやホテルを持つ「リビエラリゾート」(本社・神奈川県逗子市)も一般開放を見越し、12年から小網代湾のクルーズを提供している。
散策路は午前8時半から利用でき、4~9月は午後7時、10~3月は午後5時半まで。問い合わせは小網代野外活動調整会議(045・540・8320)。(大内悟史)
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